育てるおばはん日記

以前は食べるおばはん、今は育てるおばはんになりました。

おすすめ金融小説 ①「不発弾」

 

どもども、「食べる」おばはんと言いながら全く食べるネタを書いてないおばはんです。

 

今日紹介したいのは「不発弾」という金融小説。作家は相場英雄。彼の本はもう何冊も読んでいて、どれも社会問題を捉えていて結構な読み応え。フィクションではあるが、取り扱った題材の元が、どこの企業やどの人の話をベースにしているのか分かるようになっている。例えばこの本に出てくる「ノアレ」という会社。「乳酸菌飲料を取り扱っていて、「ノアレレディ」と呼ばれる独特の営業スタイルが特徴」、って書いてたらどこかはすぐ分かるよね(笑)また、「チャレンジ」...ではなく「アクション」で社員にハッパをかけ、バイセル取引で利益の水増しをした総合電機メーカーと言えば、あの企業である。

 

不発弾 (新潮文庫)

 

この小説が取り扱うのは、バブル期の負の遺産を精算しきれずに水面下で膨らみ続ける損失(=「不発弾」)を巡って、ありとあらゆる手を尽くして粉飾決算を行う企業と個人についての話。主人公はそれを追求しようとする、知能犯を取り締まる若手キャリア警官。追えば追うほど深い闇に入り、その現実味のある結末もなかなか味わい深いものがある。

もちろん脚色された部分も多くあるものの、バブル期から今に亘ってどんなことが起きたのか、損失をどのような手法で隠そうとしたのか、何故手に負えないくらいまでになってしまったのか、日本社会の風土等、勉強になるところも沢山あった。金融のこと、もっと勉強しなきゃなー。

 

この本を読んでてふと思い出した言葉が「水清ければ魚🐟棲まず」。

 

清濁併せ呑みすぎてもダメだけど、世の中は白と黒だけで成り立ってないことを改めて実感する小説である。あとは、分からないものには無闇に手を出すな。ということかしら。

"儲け話には必ず裏がある。もし誘いに乗りそうになることがあったら、一旦その場を離れて冷静に考えてみるんだな。" (「不発弾」エピローグより)

 

以上、紹介でした!興味があればぜひー🙌🙌